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【先進国中国】ビックデータ融資。借りるほうは低利で貸すほうは高利【招财宝】

中国の大銀行が中小企業に融資しないことは有名な話で、それが中国経済の足かせになっているという報道も良く見かける。 もし運よく借りることができたとしても、銀行は金利が高いし、いろいろな人間に根回しする必要もあり、そのコストは馬鹿にならない。

しかし、中国には、こういった旧態依然とした金融機関とは別に、ネット企業を中心とした金融機関があって、ネット系らしく様々なサービスがどんどん実装されてゆくのがとても面白い。中国ってこういうところは妙に先進国なんだよなぁ。

ネット業界のスピードで金融サービスが拡充されていくわけである。 日本の場合、なにも考えていない旧態依然とした銀行しかないので、いつまで経っても手数料が高いし、使いにくい上にセキュリティも甘く、銀行がクソゲー的つまらなさにあるのと対照的だと思う。

アリババの余額宝は6%の高金利で中国の金融界にショックを与えたが、現在は3.9%と徐々に利子が落ちてきている。 しかし、同じアリババの金融サービス「招财宝」では、5~7.4%とかなり高金利金融商品が並んでいる。

この「招财宝」。投資型の保険や、社債なども売っているが、特に目を引くのが個人が中小企業や個人に貸し付けるC2C金融で、その与信をアリババが保有するビックデータを使って行うのが先進的。また、アリババが中国版マイナンバーを押さえているから、個人の特定が容易だという理由もあるだろう。 借手ユーザーがタオバオで開いている店の、客の評価や開設してからの年数、月間取引量、月間取引金額、などの膨大なデータから、リスクを計算し融資可能金額をAIにて判定する。 これだけ商売のデータが丸裸にされていたら、どんな大銀行の熟練バンカー(年収数千万)よりも、正しいリスク判断が可能なのに違いない。

中小企業や個人向けに融資した場合もどこかの金融機関が保障していると一応は書いてあるが、元本保証とは書かれて居ないのでリスク商品であることには違いないのだが、規制だらけの日本では生まれない面白いサービスであることには違いない。 同じシャドーバンキングでも、どこかの鬼城開発で蕩尽しているものとは一線を画すもので、効率化された金融の将来を予感させるものとして注目したい。

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