中国インターネット事情

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中国人は如何にして日本製品を知るのか? そして爆買の原動力は?

春節で来日した中国人が大量の買い物をしている様子がテレビで流れていた。
沢山お金を使ってくれるので、いいお客さんには違いない。
今回、筆者は中国人の爆買に同行しているうちに、爆買にはちゃんとした理由があることがわかりました。

中国人の爆買に密着していて気付く事は、周りからの「お土産」要求の厳しさである。
それも、じゃがぽっくる5箱買ってこいとか、化粧品箱で買ってこいとか、サマンサタバサのバックよろとか、とにかくウザい。
多くの中国人は、この買物リストを持って来日する。

買物リスト実物

しかし、このネット時代、これだけでは終わらない。
そのウザさに、更に輪をかけるのが微信(Wechat)の存在である。
旅行中にも次々と知人から注文? が舞い込む。
タイガーの魔法瓶ヨロシクとか、DHCのリップクリームよろしくとか、リズリサの服お願いとか。

こうなると微信を積んだ携帯はただのPOS端末と化し、注文を受けた来日中国人はに追い立てられるように買いまくることになるのである。
もはや旅行者ではなく、ただのバイヤー(仕入れ業者)と化しているのであった。

爆買の購買力がスゴイのは、来日している人だけでなく、その影にいるオンラインで繋がった大陸に居る中国人までが購入しているためだったのだ。

これだけ買うと、どう考えても持ってきたスーツケースに入る量ではなく、預け荷物の重量リミットを大幅に超えることになる。

このように、あらゆる知人から日本の商品を買ってこいという、命令に近い要請が次々と入ってくるので、来日中国人は、より深い日本の商品ワールドにどっぷりとつかる事になるのであった。

P2Pシステムに似て、様々な趣向を持った知人それぞれの好みの日本製品を買ってこいやコノヤローと言った形で提案して、そして彼らは、その製品を知ることになるわけである。
理屈は簡単だが、訪日中国人にとっては、かなり迷惑な日本製品知覚のプロセスが爆買の裏で発生していたのである。

当然これは「貸し」となり、知覚した日本製品の中から良かったものを、次に日本へ行く別の生贄に頼み返すという無限ループになる。

さて、今回の爆買騒ぎ、中国人の知り合いをもつ筆者も影響を受けることになってしまった。
これ持っていけないから、今度中国に来るときに持ってこいと、ホイと爆買荷物(ババ)を渡されてしまった。
一度だと多いから、ローンのように分割で持ってくればいいそうだ。
ウザすぎる。

ウザすぎる話だが、中国的関係の中では、むげには断れない。。。
これこそが、爆買の原動力なのである。