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中国の親孝行法は、日本にこそ必要か?

 日本に帰るたびに、近くの家がどんどん空家になってゆくという話は以前に書きました。

高齢化と荒廃の波は確実に迫りつつあるようです。
 
さて、お隣の中国には「老年人権益保障法」という、親孝行をしなさいという法律が存在しています。
 
一人っ子政策ゆえに高齢化決定の中国で、もうメンドーだから社会保険なんかすっ飛ばして手っ取り早く子供にその役割を分担をさせようという政府の思惑が見え隠れします。
そもそも社会保険なんか構築していたら、予算がいくらあっても足りないと冷静に考えているのではないでしょうか。
それに中国は以前よりは薄くなったとはいえ、地縁や血縁がまだ色濃く残されているので、自助努力はそれほど以外な話ではありません。
持続可能な制度にしかしないのは中国の合理性だと思います。そもそも、日本でも社会保障は崩壊寸前なのですから。
しょせん持続不可能だから、わざわざ中国はそんな深みに嵌るつもりはないのだと思います。
 
さて、その日本では、年金の世代間格差や高齢者の貯蓄率が高い事が話題になっていますが、それを若年世代が相続できれば帳尻は会うはずです。
更に、相続をうまく使う事によって、同時に社会保障費を削減することができるのではと思うわけです。
中国のようにモラルに訴えたところでうまくいくはずがないので、介護をキッチリとサービスと捉えた日本版親孝行法を作るわけです。
 
以前なら、面倒を見た人間(例えば長男)がその人間の財産を貰う事が一般的でしたが、結果平等教育と法律の弊害か、面倒みようとみまいと誰でも彼でも財産を要求するようになり相続が物凄く揉めるようになってきました。
そこで、面倒を見た人間が相続時に確実に優位に立てるように、法律で明文化=日本版親孝行法を制定するわけです。
成年後見人またはそれに準ずる介護登録制度を国が設けるなどの手法で、国が面倒を見た人間を把握して、そうでない人間よりも相続における優位性を保障するわけです。現状の制度でも遺言書によって対応可能だと思われるかもしれませんが、被相続人がボケてしまうと一緒にいる介護人を逆恨みすることもあるので、遺言書には反映されない場合が非常に多いのだと思われます。
 
つまり、相続に介護サービス業としての競争を持ち込むことによって、相続人となる人間が被相続人により優れたサービスを提供するように仕向けるわけです。
もちろん、資産が無い人にはこれは有効ではありませんが、そういう人には別の手法を使えば良いわけです。
逆に、現状のように介護の価値を国が見誤ると、誰もやらなくなり社会保障費だけがひたすら上がり続けるということになってしまいます。
 
崩壊寸前の日本の社会保険を再構築するためにはこのような大胆な手法も必要ではないでしょうか。
 
そういった意味では、中国のほうが政府はそんなに面倒みきれんと正直に白状しているだけマシなのかもしれませんね。
100年安心とか言っていた政府もありましたが。それには合理性が無いのですから、いい加減夢から覚めるべきなのでしょう。