携帯電話simロック解除先進国中国の現状。アンドロイドで山寨メーカーも真正品を作り出す
SBの孫氏と総務省原口大臣の間でシムロック解除についての論争がツイッターで繰り広げられたという。
ロックがしてなかったら、iPhoneが中国に流れて大損だと、孫氏は訴えたらしい。
確かに、ソフトバンクがボーダフォン時代に、ちょっとした裏コマンドを入力すると簡単にロックが外れる機種があって、その機種のほとんどが中国人に買い占められたという逸話がある。
ドコモとソフトバンクは、中国で一般的な規格と同一なので、そのまま利用することが可能なのだ。
実際、日本の携帯は結構人気があって、中国の秋葉原のようなところに日本携帯を持っていくと1時間もしないうちにシムロックが解除することができる店もたくさんある。
中国滞在の日本人は、一般的にこのサービスを利用してロックを解除している人も多いのではないだろうか?
このように、中国の市場はsimロックが無いので、全世界の携帯を利用することができ、筆者は世界初のアンドロイド搭載携帯G1を上海で購入して利用している。
さて、simロックが無い中国では携帯電話の価格は高価で、平均給料の何倍もする機種もあったりする。
そのため、中古市場が発達していて、そのための販売店が多数存在している。
そういった店では壊れた携帯を修理する技術も発達していて、そこから山寨(ニセ)携帯作成の技術が醸成されていったのだろう。
携帯電話も台湾メーカーが開発したチップさえあれば誰でも作れるようになったので、深センあたりに山寨メーカが大量に誕生することになった。
これらの山寨メーカーは序々に実力を伸ばし、かなり高度な携帯の製作を行えるようになってきている。
たとえば、iPhoneの対抗馬と言われるアンドロイド携帯。
この携帯はGoogleがオープンソースで開発を進めているアンドロイドOSを搭載したものであるが、その利用は無料である。
山寨メーカは、中国でのトップブランドノキアのニセ物等を作っていたが、アンドロイドさえ載せてしまえば、真正のアンドロイド携帯が作れるようになってしまったのだ。
事実1000元(14000円)程度でアンドロイド携帯が売られていたりする。
これは、あまり量産していない中でのこの価格なので、もし、大量生産でもすることになったらその価格は一気に下落すると思われる。
話は最初に戻る。日本の携帯が中国へ流れるので、日本のキャリアが損をするという話は確かにあるだろう。
しかし、低価格の中国製携帯が、日本へ流れ込んでくる可能性はないのだろうか?
アンドロイドは、アンドロイドである。それは、WindowsがWindowsであるのと変わりない。
職人的ハードウェアが希少種のように存在する日本の携帯市場に、PCと同じ理屈が突きつけられる日は近いのではないだろうか?
PC9800がその姿を消してしまったように、希少種である日本製携帯が絶滅する日も近いかもしれないのである。
絶滅危惧種だ。