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生徒が先生を買収? QQのテンセントが競争入札にてICQを買収か?

前回、国際化版で日本語に対応したことをお知らせしたQQだが、運営会社テンセントは更なる国際化を進めようとしているらしい。

去年12月にタイムワーナーグループから分かれたAOLは、広告業務に集中するため非中核資産の売却を進めており、ICQも売りに出されていて、今回は、ロシアのメディアグループProfMedia、投資会社DSTと中国のテンセントが買収に名乗りを上げたという。

今回の競争者の中、テンセントの実力は最も強いと観測されているが、もし成功すれば生徒が先生を買収するという結果になり、QQの世界進出は大きく前進することとなる。

情報によると、ICQの最新入札オファーはロシアの会社が出した1.2億ドルで、この価格は100億元以上の現金準備を持っているテンセントにとっては高くないだろうと言われている。

しかし、中国のIMといえばバックドアがあることで有名であるから国際化どころか逆にICQ離れがさらに進みそうな話である。誰も進んで通信の秘密がダダモレのツールを使いたいと思わないだろう。特に欧米で普及しているICQのユーザーなら尚更ではないだろうか。

ICQを買収としてその後どうなるのか? 中国に進出したGoogleが中国用の対応をしたのと同じように、世界には中国とは異なる理屈があるのだと、テンセントが理解しない限り成功はないだろう。実際、Googleは中国には世界とは異なる理屈があることを受け入れずに成功しないまま中国を去った。

このあたり、世界的ネット企業が中国へ進出する場合と逆の問題で、中国ネット企業のサービスを世界の人が喜んで使うかといえば、それは疑問である。