中国インターネット事情

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中国携帯の謎 家電製品の価格が速攻で下落する理由

中国人の持つ携帯電話についてずっと謎だったことがある。
なんで日本より給料が安いのに、みんな良い携帯を持っているのか? ってこと。
さらに、日本以上にスマホ化が進んでいる。

中国人は面子を重視するので、新しい携帯を持っていれば見栄を張れるということもあるのだろう。
実際に金色のiPhoneが人気になっているなんて話もある。

しかし、多くの人々は単に携帯の費用対効果が高いから購入しているだけなのだと思う。
いくら中国でも、メンツだけでこれほど多くの階層、年齢の人々が高額な携帯電話を購入するとは考えにくいからだ。

地下鉄車内では半分近くの人々が携帯をみているが、やっていることはと言えば、微信やQQといったコミュニケーション系アプリ、ゲーム、動画、音楽、電子ブックなど。
そして、中国ではコンテンツは無料なので、動画、ゲーム、音楽はほぼ無料ということになる。

中国で携帯を購入するということは、無料ゲーム、無料音楽聞き放題、無料動画見放題、無料電子ブック読み放題等、
ユーザーにとって、ひたすらうれしい機能が付いたスーパー端末を購入することであり、
日本で、何をするにも金がかかる有料課金端末を購入するのとは、全く意味合いが異なっているわけである。
給料が安くても高性能な携帯を購入することは、中国ではきわめて合理的な判断だということになる。
※PCも携帯と同じように中国では費用対効果が高い。デジタル家電系も同様。

しかも、庶民が支持すれば、中国は巨大マーケットなので豊富な需要があり、N倍化による圧倒的な価格低減力により、あっという間に安くなるのである。

そして、今の家電は昔のようにテレビはテレビの部品とか、ウォークマン用の部品とかは必要ではなく、中身はみんな一緒。
例えば、今のテレビは単に携帯電話の画面を大きくしたものに過ぎない。少なくても中国のメーカーは間違いなくそういう認識だとおもう。携帯が安くなればテレビもウォークマンタブレット、パソコンも安くなるという寸法である。

中国のこの価格低減化メカニズムに入り込んでしまったデジタル製品の商品寿命はますます短くなり、価格はすぐ1/10に下落する。
そして、商品開発サイクルは恐ろしいスピードで回転を続けるのである。

その果てに、低価格で高性能な製品が世にあふれ、必要以上の性能を提示しても売れず、さらに安くなるという状況に。