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アップル 中国でiPad商標問題解決も今度はSiriが訴えられる

上海智臻网络科技有限公司(智臻网络)がSiriの件でアップル(苹果电脑贸易上海有限公司和美国的苹果公司)を訴えたという。
Siriが特許「一种聊天机器人系统」(ZL200410053749.9)に抵触するというのだ。

この技術は小i机器人というものに応用されているのだという。
http://www.xiaoi.com/index.html
この製品は、中国移动、京东商城などと提携をしている。


商標にしても特許にしても、それが力を持つかどうかはその市場にどうしても進出したいかどうかによって変わってくる。
その市場に進出したければ、多少理屈はおかしくても、その国の特許や商標を受け入れるしかなくなるのである。

例えば、日本の特許法第2条では、『「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう』とされており、純粋な計算式やビジネス手法などは特許にはならないが、米国ではその基準が非常に緩い。
ビジネスモデル特許ソフトウェア特許等の新種の発明を次々に生み出し、プロパテントといった政策で米国は製造業の国から一大知財国になった。
それを可能としたのが、米国が魅力的な市場で様々な国の企業がそこで商売を行いたいからで、その為米国の基準に合わせるしかなかったのである。
つまり、日本で特許を取るよりも米国でとった方が価値が高いということである。

そして、今や中国は米アップルも認める魅力的な市場である。
今回のアップル裁判で味をしめた中国は、外国企業から金を吸い上げる手法として、米国とはまた違ったプロパテントを推し進めることになるのかもしれない。

そもそも、特許というものは星の数ほど存在していて、人気商品にイチャモン付けようと思えばそれらしいものは何処かに存在しているものだ。
そんな特許を引っ張ってきて、人気商品を訴える訳である。

結局のところそれが認められるかどうかは、アメリカなら優秀な弁護士を雇えるかどうかであるが、
中国ではうまく関係者の利益調整ができるかが重要になってくるのではないだろうか? 中国の関係者は今回のアップル裁判でその利権の匂いに気付いた筈である。

儲かっている外資企業を狙い撃ちして、次々に訴訟が起こされる。
それでも中国市場に留まりたいと考える限りそれに対応し続けるしかないのだ。
魅力的な市場が有って、そこから利益が上がっている又は見込まれている場合、その利益がゼロにならない限りは外資企業は理不尽な要求だとしても、撤退せずにその国の要求に答えた方が得策だからである。

中国は米国を見習って、その巨大市場を武器に、独自のプロパテント政策を進めるに違いないのだ。