中国インターネット事情

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SOPA(Stop Online Piracy Act)と例のシステムが似過ぎていないか

あれだけネットに関して中国を批判していたアメリカだが、実は中国と全く同じことをやろうとしているらしい。
SOPA(Stop Online Piracy Act)やPIPA(Protect IP Act)という法案がそれなのだが、要は著作権違反のサイトに制裁を下すというものだ。
その制裁の手法は、例えば制裁対象がhttp://youtube.com/なら、ブラウザからこのドメインにアクセスしても繋がらないようにしてしまう事によって行われるのだと言う。

インターネットの仕組みとして、youtube.comのようなドメイン名には必ずIPアドレスという番号が対応しており、ブラウザでサイトにアクセスする時には、youtube.comの番号をデータベースに問い合わせ、最後にその番号にアクセスをしてページを表示するという手順を取っている。

つまり、ドメイン名と番号を結びつけるDBをいじくってその結びつけを変えてしまえば、いくらドメインを入れたところで全くアクセスが出来ない状態にすることが可能なのである。
これをDNSブロックという。

SOPAがやろうとしているこの制裁の仕組み聞いて、ふと思った。ああ、これは中国の例のシステム……例えば「銀盾」(仮)としよう。。と全く同じ仕組みじゃないかと。
事実、「銀盾」(仮)にはこの機能があり、Youtubeなどが完全ブロックされているのは有名な話である。

SOPAに反対する意見の一部に、DNSブロックをやっても、番号そのものに直でアクセスしたら意味が無いと言うのもある。
これは確かにその通りで、ドメインの代わりにIPアドレスという番号をブラウザに入れればページを見ることは可能なのである。
つまり、DNSブロックだけでは、著作権違反のページを駆逐できないのである。

もっと完璧にやるためには、ユーザーが海外のDNSサーバを使った場合の対応、更にはIPアドレスレベルでも遮断したり、プロクシやVPNなどへの対策も必要であろう。
これらをある程度上手くやっている所がどこかと言えば、「銀盾」(仮)を運営している中国なのである。。

もし、アメリカがSOPAを完璧に実施したいのなら、実績のある「銀盾」(仮)が参考になるのではないだろうか。
考えられない事だが、法案が通過したとしたなら、アメリカ当局の担当者がノウハウのある中国に教えを請いに行く日が来るのかもしれない。
世界一のネット大国アメリカも、遂に中国をパクる所まで来たということであろうか。

もちろん、例の如くGoogleTwitterFacebookなんかは、この法案に大反対している。
反対してる企業と、中国でアクセス規制されている企業がほぼ一致するのも、決して偶然の一致ではない。
彼らもまた、似ていると感じているのであろう。

英語版Wikipediaは、現在抗議で24時間の閉鎖中だという。