VIEでは審査が通らないは、馬雲の言い訳 そんなマスコミの論調が増えてきた
馬雲の態度に対して、中国のアナリストが言うには、アリペイにVIEに構造を適応しなかったのはただの言い訳であるという。
アリペイ事件が引き起こした業界のショックはすでに中央銀行の注目を集めており、中央銀行はVIEに関する問題を研究し始めたという。
しかし、主動的に企業に協議控制を解除することは要求しないともと表明しており、これをもって事実上の容認と見られている。
米国投資機関Columbia Capitalの投資マネージャー張超によると、シーナが上場した時、すでにVIE構造について当時の主管部門である情報産業部と協議しているという。
その後の様々な分野の企業が米国へ上場した時もVIE構造に適用するかどうかについて、商務部、国家広播電影電視総局などの関係主管部門と相談を行った。
また、中国証券監督管理委員会などの部門の厳しい審査を受ける必要がある。
これは主管部門が、VIE構造に黙認する態度であることを示しているという。
米国Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP弁護士事務所によると、2006と2009年に当時の情報産業部に新聞出版総署が关于加强外商投资经营增值电信业务管理的通知(ネットに対する管理強化通知)発表し、審査を行ったが、当局はVIE構造を否定することは無かった。
その事から判断しても、国内の主観部門は、VIE構造に対して、その存在を禁止していないとみるのが妥当だとしている。
さらに、China eCapitalのCEOによると、VIE構造が国家の金融安全を脅かすかどうかを考えると、中国の最も重要な4つの商業銀行には全て外資と提携してVISAやMasterなどとの共同事業を行っている。
これは、主観部門が金融部門への外資への参入を事実上認めているといえ、アリペイがVIE構造であったとしても、中国の金融安全上問題にならないと考えるのが妥当であろう。
最後に、VIE構造である盛大科技傘下の盛付通もアリペイと同じようなエスクローサービスを展開しているが、問題なく中央銀行の審査をパスしている。
したがって、中央銀行の審査部門はVIE構造を否定しておらず、馬雲の言い訳は要を成さないのである。
VIE構造は既に中国に根付いていると見るのが妥当で、すでに数万億ドルの資産に関係している。そして多くのハイテク企業の重要な資金調達チャンネルとなって中国の発展に貢献している。
今後、中国が金の成る木とも言えるこのチャンネルを、閉じることはあり得ない話である。
アリペイ問題に対する中国の報道は、馬雲の一人相撲といったレベルに落とし込む論調が多くなってきたように思われる。
上層部としては、余計なことをしてくれたというのが本音であるから、それも当然であろう。また、外資の動揺を抑える目的もあるのだろう。
今後この問題がどういった形で収束するのかは不明だが、後進のためにも、Yahooやソフトバンクは、変な妥協をせずここでキチンと筋を通すことが必要であろう。
また下手な妥協をすれば、米国では株主代表訴訟に発展する可能性すらあるかもしれない。