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中国 「UC優視」webkitベースの独自レンダリングエンジンを開発

6月8日、「UC優視」は自主開発した携帯電話用のレンダリングエンジンU3を発表した。
3年間にわたって開発されたこの製品は、中国初のレンダリングエンジンで、3Gモバイルインターネット時代の携帯電話ブラウザ用向けに開発したものだという。
このレンダリングエンジンは、webkitレンダリングエンジンとクラウドの利点を統合したものだとされている。

情報によれば、U3レンダリングエンジンを搭載したUCブラウザは今年後半に正式にリリースされ、AndroidiPhoneSymbianWindows Phoneなどのスマートフォンプラットフォームをカバーする予定である。

UC優視の会長兼CEOの俞永福の紹介によると、UCブラウザのAndroidプラットフォームでの月間のアクティブユーザー数が1000万人を超え、IPhoneプラットフォームでの月間のアクティブユーザー数が400万人を超えている。
AndroidiPhoneSymbianなどのスマートフォンプラットからのユーザー数は、すでにUCブラウザのアクティブなユーザ数の70%を上回っているという。


まずは、ブラウザの構成を説明致します。
ブラウザにはインターフェイスの部分と、html等を解釈して表示をするレンダリングエンジンの部分が存在します。筆者が提供しているListbrowser等はインターフェイスの部分を筆者が独自に提供し、レンダリングエンジンの部分はIEのものを流用する形になっています。
日本にもブラウザを開発している会社は数社あって、確か未踏ソフトウェア出身の会社もあったと思いますが、それらの会社が提供しているのもインターフェイスの部分です。

Google等は少し踏みこんでいてオープンソースレンダリングエンジンwebkitを改造し、それに独自のインターフェースを結合したブラウザGoogleロームを提供しています。
このUC優視のパターンはGoogleに似ています。

そして、クラウドとの結合とは、キャッシュサーバや余計な文字列を予め消去するフィルターをクラウド側に設けて、ブラウザの表示スピードの加速する仕組みを搭載しているのではないでしょうか。
予め、高速なサーバを設けておきそこにキャッシュすれば速いのは当たり前ですが、莫大な費用がかかるのが難点です。しかし、中国に流れ込む莫大なホットマネーをもってすれば、それを可能とする事ができるのでしょう。
UC優視の開発陣も日本のブラウザ会社とは比較にならない数百人単位で存在していると聞いたことがあります。

ブラウザを押さえるものはインターネットを制すると筆者は思うので、それなりに技術力のある中国のネット企業として筆者的には非常に注目しています。
この分野(スマートフォン+ブラウザ)は、かつてGoogleが技術革新によってサーチエンジン業界を一変させたように、技術革新によってひっくりかえせる業界です。
少なくても、このUCは、百度やQQ、SNS、動画サイト、或いは中国のツイッタークローン等よりは遥かにオリジナリティが筆者的には感じられ、したがって世界へ進出していける企業なのではないでしょうか。