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中国の電力会社(国家電力網公司)、今年の夏の電力不足が史上最悪と予測 電力制限も

国家電力網公司が23日に開催した会議によると、6月から中国全土は電力使用量のピークに入る。ピーク時の電力不足は、国家電力網公司が担当する26省で電力不足は最大、約3000万Kwに達すると予測されている。
1月から4月までにも、幾つかの地域で電力不足が深刻な状況となっている。一部の地域では石炭不足のため発電所が停止した。
石炭不足による発電量の低下が980万kwに達し、重慶の使用電力量に相当する。

今年は、近年来電力の需要と供給が最も緊張している一年であり、電力不足の総量は歴史上最も深刻だった2004年を超える可能性がある。
特に、国家電力網公司が担当する26省うち、北京、天津は、河北省、上海、江蘇省浙江省安徽省湖南省河南省江西省重慶市の行政区画で、需給が逼迫するとされている。
さらに、石炭の供給状況の現在のまま改善がなければ、夏のピーク時の需給ギャップがさらに強まり、電力不足は、3000万kwから4000万kwに増加するとしている。

華北、華東、華中地区の電力不足が最も深刻で、東北は1300万kw、西北は1400万kwの余裕がある状態だとしている。
華東、華中では、現在すでに、大口需要家に対し、電力制限を開始している。夏のピーク時には電力制限の規模はさらに拡大するものと見られている。
国家電力網公司によると、電力制限時でも、学校や病院、住宅など、住民の生活で利用される電力を優先するとしている。

今年の夏の厳しい電力状況に対するその他の対策としては、省エネ製品の利用の推奨、電力のピーク時には電気料金を値上げするなどの対策を取り、電力配分の最適化を図るとしている。


中国で電力不足が発生した原因として4つの原因がある。
1.石炭の輸送キャパシティの問題。
2.中国東部地区の火力発電所の建設スペースが限られているため。西や北のエネルギープラントから電力を融通する必要があるが送電網の整備が遅れている。
3.石炭価格の上昇が電力料金に連動していなため、発電すると損失が発生し発電する意欲が低下したため。
4.大電力を利用する産業の増加による、電力使用量が増加しているため。