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中国の有名TV局子会社「鳳凰新媒体」公募価格を上回る

5月12日、「鳳凰新媒体」(フェニックスニューメディア)は米国ニューヨーク証券取引所で上場した。
公募価格は11ドルで、目論見書に発表された12〜14ドルの価格帯より低かった。
寄り付き初値は11.1ドルだった。終値は14.75ドルで、公募価格より34.09%上がった。
この終値で計算すれば、鳳凰新媒体の時価総額は11.15億ドルである。鳳凰新媒体は初めての米国に上場した中国の新メディアである。

鳳凰新媒体のCEO劉爽によると、最近の株式市場は激動期にあって近頃上場したいくつかの中国のインターネット企業の株価は公募価格を下回っているので、鳳凰新媒体は上場する前に公募価格を調整したという。
近頃中国のインターネット企業が頻繁に上場していて、いい加減投資家にあきられている可能性がある。ウォール街による「中国株」への熱意は以前より冷却してしまっているようだ。

5月4日にニューヨーク証券取引所で上場した人人網の株価は上場初日こそ30%近く上がったが、5月12日までに14ドルの公募価格を下回った。
また、5月5日にニューヨーク証券取引所で上場した「網秦」(北京网秦天下科技有限公司)と5月11日にナスダックでIPOした中国最大の出会い系サイト「世紀佳縁」の株価も上場初日で公募価格を下回った。
業界ではすでに、中国のインターネットバブルについて様々な議論が行われている。

こうした状況により鳳凰新媒体は上場する前に自発的に公募価格を下げての公開となった。
しかし、寄り付きから鳳凰新媒体の株価が大きく上昇し、最近の上場した中国インターネット企業の株価が下がり続けている状況からすれば多少マシかもしれない。
現在は13.1ドルとなっているので、今後公開価格より下落する可能性は否定できない。


中国ネット企業であれば、莫大な人口を背景にした急成長が期待できるというのは、そろそろ考えを改めた方が良い時期なのかもしれない。
中国ネット民の目が肥えた状況にあっては、一度大量のユーザーを獲得することに成功した企業でも、つまらなければあっという間に衰退してしまう。
こういったネット企業の世界共通の当たり前の特性を踏まえた上で、中国ネット企業にも投資を行ってゆく必要があるのだろう。