中国のお金は日本の数倍の速度で動いている
爆買い現場にて‥
商品を撮影した写真を微信で中国側に送り確認し、相手がOKなら微信でお金を貰う。最後に商品を貰ったお金を使い微信で購入して終わり。
この取引の流れを見ていると、支払いサイトとかキャッシュフローとか現代経営学必須の事柄をすっ飛ばして、ものすごいスピードで人から人へお金が移動していることに気付く。
会社の経営では、モノを売ってからお金を回収するまでのタイムラグが死活問題になっていて、多くの会社は他人に支払うべきお金であっても、なるべく手元に留めておこうとする(キャッシュフロー経営)ので、お金の動きは限りなく遅くなってゆく。
日本の場合、看板方式とかモノの流れの最適化を図る方法はものすごく発展したのだけど、お金の流れはかなり微妙だ。大手企業が下請けに支払う場合に支払いサイトが120日必要になるとか、この時代にそんな具合だから、ECプラットホームもそれでいいと考えてしまっているのかもしれない。
だから、商品を売り上げても、ECプラットホームの運営会社からお金を貰うまで、一ヶ月とかそれなりの時間が必要になる。スピードが速いはずのEC会社がキャッシュフロー経営をやっているためだ。どうも、周囲のトロい奴に合わせてしまっている。護送船団方式?
即座に決済を行えるはずのECプラットホームが過去の遺物をそのまま踏襲しているというのは、怠慢ではないか。
しかし、中国では違う。タオバオであれば売り先が承諾すれば売り上げとほぼ同時に商品ごとに貰える(日本の場合、一月に一度まとめてとかいうのが多い)し、微信であれば相手が微信で支払った途端に貰える。ECプラットホームがお金の流れを妨げない。
中国の企業はなかなかお金を払ってくれないという話を、昔はよく聞いたし、今でもそれは普通にあると思う。これは日本のキャッシュフロー経営より悪質かもしれない。
ただ、中国のネット企業は、周囲がどうあれ、システムパワーで可能になったことを過去に囚われず行うことによって、大きな発展を手に入れている。
ニセモノ問題やマナーが悪いという面は確かに存在していて、それらは常に報道されていてみんな知っているけど、中国では金融版カンバン方式ともいえる高速で資金を動かすプラットホームがこの数年で完成しつつあるという面も知っておく必要があるだろう。
中国を脅威とする人もチャンスとする人も、どちらの立場でも様々な面からの情報が必要で、似たような情報だけでは何の役にも立たない。