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非正規の日本人よりも給料の高い中国の人々

20年くらい前といえば、中国の人々が大挙して日本を訪れて、非正規雇用で働いていた。
とにかく何でもいいから、日本で働きさえすれば、万元戸という中国では金持ちの仲間入りをすることが出来るので、まさに一攫千金のチャンスだった。
当時を知る入国管理官から、良く上海人を取り締まったと聞いたことが有る。

しかし今は、北京や上海で働く人々の平均年収が6万元ということで、世界年収ランキングというサイトを見ると、
http://www.globalrichlist.com/
世界では、上位6.7%に位置する高給取りということらしい。

どのくらい高級取りかといえば、同じサイトで日本の非正規雇用者の平均年収168万円(平成24年)を見てみると、上位7.96%になる。
日本の非正規雇用者の年収は、中国の都会には及ばない状況になっているという事になる。
愛社精神などない中国ではサービス残業とかは無いので、これを考慮すると日本の年収はさらに下振れするような気もする。

中国と戦うために、たとえ貧乏になろうとも日本人のコストを下げて競争力を取戻し、仕事を得る。
日本を取り戻すというフレーズは、日本の仕事を取り戻すということだろう。もちろん、すぐに取り戻せるわけではないので、徐々にだろうけど。

アベノミクスの目標はクリアされつつあるのではないだろうか。
逆に言えば、これだけの賃金なのだから、近年中国の経済成長が鈍っているのも当然なんじゃないかと思う。

このように、2014年の今は日本と中国が均衡しつつある。
しかし、平均年収168万円は、世界では「上位7.96%」に入る高給取りだ。
その同位あるいは下位に居る90%以上の人より高い付加価値を出せているか? 中国の成長が鈍ってきているのも、日本がスタグフレーションになっているのも、ここに尽きると思う。

それにしても、まだ90%以上の人々が下位にいるというのは、考えてみると、これはとても不気味なことではないだろうか。
ネットによって、先進国に集められていた知識が世界中に拡散してゆく中で、
コンテナに乗ってくるほど圧倒的下位に居た中国の都会人に逆転されている今がある以上、
明日、下位90%の人々に逆転されないとは、誰も言えないのだから。