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Bitcoinマイニング専用機 中国タオバオから姿を消すくらい人気。ウイルス蔓延の予感

Bitcoinは買うだけじゃなくて、コンピュータによって作り出すことができるという。
これをBitcoinマイニングというらしい。

作り出すというと、なんだか無から有を生む錬金術のような感じをうけるが、実際は決済システムのレンタル代を貰っているといった感じだろうか。

つまり、普通の銀行の場合なら銀行自身のコンピュータを使ってATMなどの各種サービスを提供して稼いでいるけど、Bitcoinの場合はBitcoinシステムを支えるコンピュータを提供した人にお金が入るようになっている。

様々な人が色んなコンピュータを持ち寄って作られたこのBitcoinというシステム。
持ち寄ったコンピュータが強力であればあるほど、システムへハックすることが難しくなるようで、より強力なマシンを持ち込んだ人には多くの報酬が支払われる仕組みになっている。

しかも、システム提供者が増えたり、コンピュータが強力になると自動的に報酬の分配量を抑制し、さらなる高性能ハードの出現を促し、Bitcoinシステムをより強固なものとしてゆくというから、自己組織化するシステムともいえるのかも。

ということで、最初は普通のPCでもビットコインを支えるシステムとして足りえたのが、どんどんエスカレートして、最近は専用ハードを使わないと全く報酬をもらえないという状況にまで難易度が上がってしまった。

その専用ハードを中国タオバオで探してみると、11月17日からわずか1週間でみな品切れ状態になっている。ガイガーカウンター以来の大フィーバー現在進行形というわけである。Bitcoin価格の高騰がこの状況を作り出しているのだが、一体いつまで続くのだろうか。

このBitcoinのシステムそのものはよく考えられているのでセキュリティ的に強固そうだが、人間へのインターフェイスが絡む部分は弱そうな感じがする。

中国の銀行ならネットバンクの部分はパスワードとハードウェアによる2重認証になっているが、Bitcoinの操作を人間がするWalletというソフトにはそれがない。そのうち対策が取られる可能性があるが、今は弱点っぽい。

価格がこれだけ高いと、それを狙って成りすましやらパスワードを盗むウィルスが大量に巷に溢れ出すのは時間の問題だろう。今後中国からマイニング数が桁違いに増加し発掘難易度が大幅に上がることが考えられる今、弱点を狙ったウイルスを作った方が簡単だからだ。

Bitcoinを盗み出し、使われていない世界中にあるWallet(Bitcoinが話題になったので、使ってみようとWalletを入れたが、発掘できないので放置されているものなど)を複数経由して、自分のWallteに振り込むとか。

すでにウイルス開発プロジェクトが何百、何千と走っているのだろうなぁ。
Bitcoinのサイフをみたら、0になっていたなんて事が続出するかもしれない。

Bitcoinシステムとしてのセキュリティは強力だけど、一番のバグは、エロサイトとか見てウイルスを招き入れる人間というオチですね。中国の場合は最初からPCにウイルス入りの場合がありますけど……