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なぜ上海のタクシーは爆走し、夕方捕まりにくく、乗車拒否が多いのか?

上海タクシー運転手によると、勤務時間は大体12時間。ガソリンや車両の償却コストを含めた一時間あたりのコストが50元程度との事です。
つまり、一日あたり600元がコストとなり、これ以上稼がないと赤字になるのです。

月に7000元程度の儲けを考えると、これを25日で割ると一日の利益目標が280元となり、一日に900元程度売り上げる必要があります。
つまり、1時間あたり75元です。

初乗り14元、深夜なら18元ですが、初乗り距離でも、空車状態、乗車、降車という一連の流れで、15分程度はかかってしまう場合も多いと思われます。
この場合、1時間に4回転可能ですが、僅か56元しか売り上げることはできません。コストギリギリと言った感じでしょうか。
深夜ならこれは72元となり、まあまあですが、客はあまり居ないので、空車時間が長くなると思われます。
したがって、とにかく乗客を素早くさばくことが彼らの生命線ですから猛スピードで突っ走ります。

そんな彼らが少しでも稼ごうと、やはり長距離を狙うことになります。
浦東空港から中心部までは150元程度ですので、全工程を長めに見積もって3時間としても往復300元=100元/時間。
ホテルの前では全く動かないタクシーを何台も見かけることがあります。休憩を兼ねての大物狙い。
これらのタクシーは空港に行くと言う以外、微動だにしません=乗車拒否です。

そして、やはり稼ぐには回転数を上げ、渋滞時間等のロスを減らすことも重要になってきます。
夕方になると中心部は帰宅ラッシュで渋滞し身動きが取れなくなってしまうので、うまく郊外に逃げ出して、ホテル等の長距離客を狙える場所に位置取りをするための時間になります。
下手に客を乗せて渋滞に捕まったら最悪ですので、速やかに渋滞エリアを離脱するために無視=ここでも乗車拒否が多発します。
こういった時は、地下鉄やバスを利用したほうがスケジュール通りに行きそうです。

上海のタクシーは乗車拒否が普通ですが、その裏には、厳しい経済状況があるようです。
まあ、このような状況ですので、いちいち腹を立てても仕方がないわけですね。

尚、上海では、大手企業の大衆、強生、錦江、海博あたりのタクシーに乗るのが無難で、
小規模企業の車体が赤色のタクシーと藍色聯盟は止めた方が良いと言われています。