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百度 動画サイト「愛奇芸」の株式買い増しへ

11月2日、百度の発表によると、百度は私募会社プロビデンス·エクイティ·パートナーズ(Providence Equity Partners)が保持している動画サイト「愛奇芸」の株式を買収する予定。
既存の管理チームの指導の下で、愛奇芸は独立したブランドとして運営され続ける。この取引は2012年第4四半期に完了する予定。
取引完了後、愛奇芸は百度の財務報告書に入れられる。

価格と増やす株式の割合はまだ明らかにされていない。今週中にSEC公告を発表する予定なので、その発表データに従うという。
この取引の前に、百度は既に59.92%の株式を保持していた。

百度は動画検索機能を利用して愛奇芸の結果を優先的に表示し、愛奇芸に重要なトラフィックを導入することができる。
情報によると、百度は愛奇芸に約40%のトラフィックを提供していた。

一方、百度はまた愛奇芸をコントロールすることでモバイル端末への移行を望んでいる。
バークレイズ·キャピタルが11月2日に発表した調査レポートによると、PCからモバイルデバイスへの移行に対応するために愛奇芸をコントロールすることで、百度は別のトラフィック獲得チャネルを持つことになる。
百度Q3の財務報告書によると愛奇芸のトラフィックの20%がモバイル·プラットフォームからのものである。

中国国内の動画業界はまだ業界全体が赤字の段階にあって、動画サイトが団結して発展しようとする傾向がある。
今年の初め頃、優酷網と土豆網は合併した。
4月には著作権と放送分野での資源協力のために、捜狐ビデオ、愛奇芸、テンセントビデオが連盟を結んだ。

去年は、楽視網などが高価格で独占的に著作権を購入する方法で競争したため、著作権料が上がって、業界全体の負担となった。
今年は、優酷網、捜狐ビデオなどはUGC(User Generated Content、ユーザー生成コンテンツ)、自作ドラマなどの方面に力を入れた。
各サイトはモバイル·エンド·APPへの積極的な配置に人とお金を投入している。しかし、利益モデルが不明なため、この分野はまだ収益がない。
同様に、愛奇芸もまだ黒字を実現していない。

動画は百度にとっては不可欠な戦略補完なので、単純に価格と現在の業績で評価してはいけないとインターネット評論家洪波が述べた。
オンライン動画は百度にとって戦略的意義があると百度のCEOロビンリーはかつて語っている。
百度がSECに提出した書類によると今年3月の時点で、百度の愛奇芸への累積投資損失は1.1985億元に達している。
以前、愛奇芸がキャッシュフローピンチにあったという報道があった。
今回、百度保有している愛奇芸の株式を増やすことは、投資を増加していくことを意味している。

今までは回収できたとは言えない投資である。今後はどうだろう。