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テンセントへ喧嘩を吹っ掛けると上場できる? 今度は「UC優視」が噛みつく

11月4日、UC優視は不正競争を理由として騰訊(テンセント)を訴える予定だと発表した。
騰訊は独占の優位性を利用して、提携する携帯電話メーカーがUCブラウザをプリインストールしないように強制したとUC優視が非難した。
その手段は3Q大戦の時と全く同じだという。

UC優視は騰訊が携帯電話メーカーに提供する提携契約書を公表した。
契約書の中にある排他条項は、提携パートナーが騰訊の製品を押し広める時に競合他社の製品を押し広めないことを要求した。
UCブラウザをプリインストールしないことが含まれている。

UC優視の発表したデータでは、現在のところUCモバイルブラウザの月間アクティブユーザー数は約1.67億人である。
携帯電話プリインストールは30%を占め、ユーザーの自主インストールは70%を占めている。
騰訊の排他条項はUC優視の将来の市場拡大に大きな影響を与えたとUC優視が考えている。
現在中国のインターネットの競争環境が急激に悪化し、盗作が溢れ、悪意のある独占を抑えることが困難だとUC優視のCEO俞永福が述べた。

UC優視と騰訊の紛争は前から始まった。UC優視は今年10月24日にパートナー及びUCブラウザのユーザーへの声明文を発表した。
この声明の中に騰訊の不正競争などの罪状が書いてある。
また、CNNIC、iResearch、易観国際3つのコンサルティング機関が発表した「QQブラウザが1位」の関連報告書は水増ししたもので、騰訊に操られたものだと指摘した。

UC優視の非難に対して、騰訊はUCブラウザに対して不正な競争手段を取ったことはないと騰訊関連責任者が答えた。
騰訊は携帯電話メーカーの選択に干渉することや第3者の調査データを操ることができないと述べた。
UC優視の非難は騰訊への名誉毀損また自社の宣伝のためだという。

一部の業界の人によると、UC優視と騰訊の紛争の本質はモバイルインターネット入り口としての携帯電話ブラウザを奪うためである。
また、去年奇虎360と騰訊の3Q大戦後、奇虎360がNASDAQへの上場に成功したので、今回UC優視の行動は奇虎360を模倣した上場へ向けての宣伝かもしれないという。

企業間紛争も中国流の宣伝手法です。