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中国オンラインゲーム事情 RMTの取引規模1200億円 法整備も日本の先を行く

現在、オンラインゲームユーザーの権利保護と仮想通貨・仮想アイテム取引市場(RMT市場)を規制するために中国政府は相次いで一連の厳しい措置を実施しています。

2009年6月、中国文化部と商務部は共同で《关于加强网络游戏虚拟货币管理工作的通知》(オンラインゲームにおけるバーチャル通貨管理業務強化に関する通知)を公表した。オンラインゲームのキャリア(運営者)がオンラインゲーム仮想通貨取引を従事しないことを明確に要求した。2010年6月22日、文化部は《网络游戏管理暂行办法》(オンラインゲーム管理暫定方法)を公布した。《网络游戏管理暂行办法》は2010年8月1日から正式に実施された。政府はオンラインゲームの管理を強化している。《网络游戏管理暂行办法》により、オンラインゲームの仮想アイテム及びゲームのアカウントを法律や規制の管理の範疇に入れ、より全面的にオンラインゲームユーザーの権益を保護するという。

ゲーム内仮想アイテムの価値の高まりに従って、プレーヤーの間でゲーム取引を行う需要がどんどん増加している。報道によると、中国国内のオンラインゲームの専用取引市場はすでに取引額が100億元(1200億JPY)を上回る巨大な市場に成長しているが、2014年には270億元にさらに急成長すると見込まれている。仮想アイテム取引プラットフォーム市場の潜在力とビジネスチャンスはますます企業に重視されている。

現在、中国国内のオンラインゲームの取引市場は二つの大手企業が独占している。仮想アイテム取引の専門サイト5173.comと淘宝網で90%以上の市場シェアを占めている。

情報によると、5173.comは2002年に成立された中国国内最大の仮想アイテム取引プラットフォームである。5173.comはオンラインゲーム取引業界のリーダーとして、業界に巨大な貢献をしていた。

淘宝網の仮想アイテム取引プラットフォーム(game.taobao.com)は2010年3月に登場した。淘宝網の巨大な影響力で、仮想アイテム取引プラットフォームは業界で注目されていて多くのユーザーを獲得している。情報によると、淘宝網の仮想アイテム取引プラットフォームの売り手は身分認証と銀行口座認証が必要である。資金はアリペイで管理される。高度なデータ暗号化技術を採用しており、ゲームのアカウント及び取引情報の安全を確保する。また、淘宝網の顧客サービススタッフォが取引の過程を監視する。それらの措置を通じてユーザーに安全で便利な仮想商品の取引プラットフォームを提供するという。

今後の市場拡大の見込みにより、さらに多くの競争者がオンラインゲーム仮想商品の取引市場に参入しようとしている。


オンラインゲームのアイテムが盗まれたということで訴える事件が日本でもありましたが、仮想アイテムや仮想貨幣を財物と認めてしまうのは万一経営不振でオンラインゲームのキャリアがゲームから撤退するときにユーザーに賠償しなければならないという問題が発生するために難しいようです。

しかしそれならオンラインゲーム専用の法律を作ってしまえば良いのではないでしょうか。そして、それを素早く次々に打ち出しているのが中国です。法整備を素早く進めることによって、1200億JPYを上回る巨大な市場作り出したということなのでしょう。
それにしても、ゲームのアイテムの取引市場の規模が、2014年には3倍弱の3402億円になると予測されているのだから驚きだ。

将来中国が更に発展し、元切上げで元高円安になったとしたら、日本から中国への主力輸出物にゲームのアイテムが数えられるようになるかもしれない。
日本から中国のオンラインゲームに参加しアイテムを沢山Get。それを中国のRTMで売るわけだ。そんなちょっと奇妙で変なバーチャル輸出産業の登場もいよいよ近いのかもしれない。
もちろん、こんな輸出産業の登場は政府の物づくりを基盤とした日本成長戦略には含まれていないだろうが。