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中国WTO違反か? iPad1台の税金が12,400円で高すぎるという批判

税関総署が、今年、公布した54号の公告規定を8月1日から実施した。居民の旅客が携帯した海外で得た総価値人民元5000元を超える(5000元含む)個人用品は、その超える部分に対して徴税して通関させる。非居民の旅客が携帯した、中国国内に残す価値人民元2000元を超える個人用品は、その超える部分に対して徴税して通関させる。また、1つの値段が5000元以上の物品はその全額が課税対象になる。

税関総署の規定に基づいて、最近、iPadが入国時に5000元とみなされ1000元の課税を受けた。そのことが市民の不満を起こして、話題になっている。

税関総署はメディアを通じて《海关总署就进出境旅客所携物品验放标准答记者问》(出入国する旅客が携行する物品の審査標準について記者の質問に対する答え)を発表した。税関総署の监管司の責任者黄熠はiPadが1000元の課税を受けた話題事件に対して次のように答えをした。「発売以来、iPadの価格が常に変わっている。また種類によって価格も異なる。税関はiPadをノートパソコンに分類し、一般的な5000元の関税込み価格に適用するのは、主に旅客の利便性、行政管理の効率化、旅客の通関時間を改善するためである。」と表明している。

黄熠によれば、個人荷物と郵送品に対する管理は便利と簡素化の原則に基づいているので、通関の時に個人物品の価格を検定するため、旅客に不便をもたらさないように、税関は《归类表》(分類表)と《完税价格表》(関税込み価格表)によって関連物品の種類と関税込み価格を確定する。商品の購入場所、購入時間、タイプの違いによって、《归类表》の中にある同じ税番の商品としても実際の取引価格が異なるので、リストの価格より高くても、低くても普通のことである。

また、税関総署はできるだけ実際の状況に近づけるように、定期的に《完税价格表》の一般的な商品の価格を調整すると黄熠が強調した。今後はいっそう《完税价格表》の調整と発表を加速するという。

iPadが1000元の課税を受けたことは話題になって、中国がWTOに加入したときにコンピュータに関してはゼロ関税にすると公約していたのに、iPadに1000元の関税をかけるのについて、WTO規則に適応しない部分があると商務部が税関に申し入れた。

しかし、税関側は、5000元の免税限度額が低すぎるとみなされる問題について、国民経済の発展レベルの違いを考え、現在、中国の免税限度額は先進国のレベルに基本的に相当すると黄熠が表明しており、入国する旅客が携帯した物品に対して免税限度額を規定することは国際的に通常のことで免税限度額を超えた物品に対してはその全額で徴税するのも普遍的な採用方法であると説明している。

今回の通関でのiPad問題。実際のところ、香港・シンセン間を粉ミルクやデジタル製品を大量に抱えて行き来する運び屋を対象とした規制の強化であると思われる。前回、国際郵便での課税強化をおこなってYahooJapanとの共同事業「淘日本」を開店休業に追い込んだが、今回は人手による持ち込みに対しても規制をかけたということであろう。

今回の規制強化、世界最大の貿易黒字を持ちながら自国では関税の強化ということであるから米国など諸外国が反発する可能性もある。