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衝撃 中国乳製品業界の黒い噂がネットを巡る。会社間の非難合戦へ

2010年8月~9月に注目された「圣元(サン元)粉ミルク性早熟事件」に関して、最近、衝撃的なニュースがあった。「圣元粉ミルク性早熟事件」の背後に黒い企業がいるという噂がネットで広がっている。

これは蒙牛、伊利、圣元など中国乳製品の大手企業に関係しており、その内容は「圣元粉ミルク性早熟事件」そのものが、蒙牛が裏で画策した謀略なのだという。しかも専門に「伊利QQ星児童ミルク」、乳幼児粉ミルクなどの製品に対して行われた前代未聞の企業主導による謀略活動だとされている。さらに、蒙牛グループ数人の関係者はすでに公安機関に捕まったという噂も乱れ飛んでいる。

また蒙牛が伊利を陥れるという文章もネットに流れており、当事者の一つである伊利の側は公然と「蒙牛が伊利を陥れる」噂が事実だと表明。伊利はすでに7月の時点で警察に報告したという。蒙牛は伊利の乳幼児粉ミルク製品に対して、計画的に悪い噂を流し世論を誘導したと伊利が非難した。

一方、蒙牛グループのスポークスマンによると、ネット上のニュースは事実ではないとしている。「圣元粉ミルク性早熟事件」の黒い企業が蒙牛だという噂こそが伊利が画策したニセ情報で、この件に対しすでに警察に報告したという。また、今回の事件はライバル企業の悪意のある競争手法だと非難している。

下地として、日本でも有名な「乳製品へのメラニン混入事件」がある。なお、このメラニン、間違って入れたのではなくタンパク値を上げるために意図的に混入されたものである。
このような状況なので、中国の人々は乳製品業界に対し悪い感情しか持っておらず常に疑いの目で見ている。日本の粉ミルク(明治)が中国で人気の理由がここにあるのだが、今回さらに「圣元粉ミルク性早熟事件」という事件があって、色々な噂がネット上に飛び交っているという状況にあった。

蒙牛、伊利、圣元という企業は中国の大手乳製品メーカなので簡単にその製品を手に入れることができる。もちろん筆者も何度も飲んだことがあるものだ。噂や推論の域を出ていない情報でも問題があると言われれば、一消費者として非常に不安になるというのが正直な感想である。こういった感情は普通に中国の人々にも共有されている。

当事者とされる企業同士が非難合戦をやっているので、そのこと自体がいろいろな噂に信憑性を与えメラニンの記憶と共に多くの人々が知ることとなっている。

情報統制の存在を人々が認識していると同時にネットという噂の培地となるものが存在する中国では、噂が常に広がり易い状況にある。

小月月の件でも実証されたとおり中国には情報を世界一のスピードで拡散させるカスゲード反応ギミックが隠されている。何かが隠蔽されているのではという疑いとこのギミックが結びついたとき、間違った噂だとしても恐るべきスピードで広まってしまうのである。

なお、現在のところ、この噂(ライバル企業を追い落とすために事件を作りだしたという話)の真偽は不明である。

追記:蒙牛の一社員が単独でやったという話になっている。トカゲの尻尾切りでは。。。。ネット上にも批判コメントの嵐だが。。全貌はいまだ不明。