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中国製アンチウイルスソフトが、ウイルスと同じ手法でライバルのソフトを消去

最近、ウイルス対策ソフトウェア業界で論戦が爆発した。5月21日、金山(Kingsoft Corporation)は、アンチウィルスソフトウェア「奇虎360安全衛士」がウィルス的な手段によって、強制的に金山のインターネットセキュリティ製品「金山网盾」をアンインストールしたという声明を発表。これは奇虎360がユーザーのセキュリティを無視する行為だと非難した。

その後、奇虎360も金山网盾が360の正常な運行を邪魔するという声明を発表した。最近、そのためで、奇虎のCEO周鸿祎と金山のCEO王欣はマイクロブログで何度も相互攻撃を展開した。その後、元360社長、傅盛が創立した「可牛」ソフトウェアもこの論戦に参加した。

論戦の原因は利益の争いだと思われる。奇虎360が提供するデータによると、360安全衛士のインストールベースは2.5億に達した。完全に無料のため、360安全衛士は短い時間ですでに71%の市場シェアを持っている。それは国内の他の有料アンチウイルスソフトウェアメーカーを追い詰めている。

以前、中国のアンチウイルスソフトウェア業界はずっと瑞星(Rising Antivirus)、金山(Kingsoft)と江民(Jiangmin)の「3分天下」だった。しかし、360の無料提供はこのパターンを打破した。


それにしても面白いのは、そもそもソフトなんてクラック版が大半を占めてるので無料だろうが有料だろうがあまり関係は無いはずなのに、やはり一応フリーソフトと有料ソフトがあれば、フリーに流れるのかというところである。クラック版には大量にウイルスやスパイウェアが仕込まれているので、フリーソフトの方が安心ということであろうか? しかし、無料……とんだトロイかもしれませんよ。これは。

まず、筆者は奇虎360などと言うソフトは利用しません。挙動が怪しく糞なので。このソフトの特徴は、問題がないソフトでも何でもかんでも「怪しい」と判定するところです。

この判定の基準は一体どうなっているのだろうか? もしかしたら、こういう事かもしれません。

シェアを武器に、このソフト会社の意に沿わぬソフトを抹消しソフトのシェアすらコントロールする……これが出来れば無敵だし真の目的はこれでは? 実際、ライバルのソフトを消すその戦略はそのものズバリですし。何でもかんでもしつこく警告を出すのは、消せと警告がでるソフトのライバル会社から請け負いでやっているのかも? と勘繰ってしまいます。

実際、奇虎360からマイクロソフトが無料で提供するウイルスソフト「Microsoft Security Essentials」に変えたら、同じPCでも殆ど「消せ」なんていう警告は出なくなりました。
こちらも完全無料ですが、真正版Windowsを利用していないとインストールできないので、中国でこれが普及しない理由も推して知るべしです。

それにしても中国は、ソフト業界も何でもアリですね。

※ここでいう奇虎360は、ノートン360とは何の関係もありません。名前をパクっただけだと思います。