日本から消えたモーレツ社員はここ中国に居た。夜10時まで続くカスゲート営業電話
気合と根性で働くサラリーマンが、かつて日本にいた。
高度成長期の日本。焼け野原からの奇跡の復興をとげた日本の原動力となったのが、ガムシャラに働くサラリーマンであったことは間違いがないだろう。
家族や自らの生活を犠牲にして出世と成功に向けて猛烈に進むその姿は、プロジェクトX等でもお馴染みだ。
しかし、今やこのモーレツ社員は死語となっている。
理由は簡単で、チャンスが見えていて、給料がどんどん上がり、生活がどんどん良くなるというのは、人を働かせる最も重要な点であるが、今の日本にはチャンスは少なく、給料は下がり、生活も悪くなっている。これではモーレツ社員など登場するわけがない。
では、チャンスがあって、給料が上がり、生活水準が向上しているのはどこだろうか? それは、中国である。
上海の地元不動産屋に1本電話をすると、いろいろな不動産屋の営業マンからカスゲート(連鎖)で電話がかかってくる。
個人情報保護もコンプライアンスもあったものでもないが、これはこれで便利である。
1本の電話で、その地域の地元不動産営業マンの間で情報が共有されているのだ。1本で、20本くらいかかってきて、遅いときには夜10時を超えていたりする。
これは気合と根性が違う。
いま、モーレツ社員は中国にいて、彼らは古いものを次々に壊し新しいビルを建てたり、高速道路を作っている。