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中国タオバオの日本製品はなぜ安い? その謎を追う。 中国C2Cネット販売は物流が重要

中国に日本製品を買ってもらおう! という流れで多くの中国向けショッピングモールがオープンしたのを覚えているだろうか? 華々しく日経新聞に掲載されていたのだが現地のメディアには殆ど全くのっていないので、日本企業だけには受けはいいだろうとおもった。もちろん店子集めにはそれも重要だがより重要なのは中国人に受けることだ。

その中には、日本にサーバを構築してEMS等で日本から中国へ送る物流スキームを取るものがある。そのEMS(送料)に130RMB(1800JPY 荷物(小包) 重量:1,000グラムを東京から上海に送る場合)が必要になので送料によって競争力は大きく減衰してしまう。それでも、他に同じ物が売っていないならば希少価値を持つ物品サイトとしての存在価値はある。

しかし、中国最大のC2Cサイトタオバオでちょっと検索すると、売れ筋の日本製品が掲載されていて、それこそわざわざ日本製品の専門ショッピングモールに行って買う必要はないという状況になっている。

勿論、C2Cであるから粗悪品や偽物も数多く存在する可能性はあるが、信頼性の高い店で買えばそれほど気にする必要なない。エスクローサービスも存在している。筆者もソニーメモリーカードを買う時に、そのあたりの小売店で2度偽物を掴まされて、最後にタオパオの信頼できそうな店で購入したら3度目の正直で真正品だったということがあった。

そもそも、中国人にしてみれば聞いたこともないような日本の会社がやっているショッピングモールよりも、タオバオのほうが安心だと考える人も多いだろうと思う。

さらに価格だが、送料を除いた状態でもタオバオで販売されているものより高くその上高額運賃を取られるのだから、まず普通は買わないと思う。タオバオでは同じ物品が日本のアマゾンと殆ど同じ価格で販売されていて、10元程度の送料で配送してくれる状態になっているからだ。

このあたりを全く調査せずに大金を払って日本の中国向けショッピングモールに出店する企業はどうか? と思うところだが、その一方、なぜタオバオの店がこんなに安く日本製品を提供できるのか? という疑問もわいてくる。

日本製品を中国で売るならば、当然、物流・通関・関税、各種許可とかめんどうな話になってくる。この部分に秘密があるのだろう。

タオバオの販売サイトには日本製であると強調するためか、貿易で使う書類がそのままサイトに掲載されていて興味深い。それを見ているとタオバオで販売されている日本製品の日中間物流スキームが見えてくるのだ。こういった流れはリサイクル資源系では普通にあることなのだが、なるほどと納得させられる流れであった。

時間の調整等も考えられていて、効率よく日本製品を中国国内に持ち込んでいることが推測できる。なお、タオバオのサイトの掲載されているインボイスなどは全部が正確ではないようだ。まあ、このあたり中国人の顧客が見るだけなので、サイトの掲載するにあたって多少書き変えてあっても誰も気にはしないのだろうけど、プロには書類に書かれた内容とは異なる実際の内容が見えたりするものである。

もし、物流コンサルティングが必要であれば、お気軽にお問い合わせください。今後、タオバオとYahooの連携を控えていますが、中国人へ物を売るという場合この物流部分の戦略は重要です。勝つためには最適化された中国EC物流ソリューションが必要だと思われます。