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“開心網"今年の販売目標は2億元(28億円)。携帯電話が軌道にのればさらに爆発か?

"開心網”(开心网カイシンワン)とは、無料ゲームを主体とした、中国の人気SNSである。
解説 https://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=55

最近、“開心網”今年第1四半期の広告のオファーシートは公開された。資料によると、“開心網”の広告はCPM方式(アクセス数千件あたりのコスト)によって価格が決められる。

“開心網”は今年広告売上高の目標は2、3億元ぐらいで、その目標に対して自信があるという。

それでは、“開心網”はこの目標を達成することができるかどうか?

“開心網”の社員チームは最初の6人から80人に増加、平均的に1ヶ月の広告収入は700万元に達したと“開心網”のCEO程炳皓が表明した。

毎月700万元の広告収入は小さい数字ではないが、この数字によって簡単に計算すれば、年間広告収入は1億元さえ達成していないことが分かる。

しかし、この販売目標もそれほど根も葉もない話ではない。

データによると、2009年9月16日までに登録したユーザーは5千3000万人。日本の人口の半分程度だ。

ネット業界関連の中国大手調査会社“艾瑞諮詢集団(iResearch)”(www.iresearch.cn)の統計によると、平均的に“開心網”の登録するユーザーは毎日約20万人が増えている。

その成長スピードは極めて速く、開心網のユーザー毎日の平均サイト滞在時間は約40分で、テンセントQQの4倍を達成している。

また、広告はほとんどSNSコミュニティの主要な利潤を得る方法で、広告の販売目標はサイトの利潤の主要な目標となる。

そのように多くのユーザーを持っている以上、2、3億元という楽観的な広告の販売目標を指定するのも無理はないだろう。


しかし、中国のFree系ネット企業売り上げが、以外と低いと感じる方も多いのではないだろうか?

例えば、2010年6月期のFree系ネット企業GREE(日本)売上高は前期比94.3%増の271億円(7月予想比38億円増)、営業利益は同67.4%増の140億円(同20億円増)、純利益は同65.7%増の74億円(同10億円増)を見込んでいるという。

売り上げ規模は1/10、利益については恐らくは赤字ではないだろうか。

この差は、携帯電話とその課金の差だと考えられる。

CPM広告販売とアイテム課金(ゲームで利用するアイテムの販売。ゲームは無料だがアイテムが有料。良いアイテムは高額であることが普通)の差がここで発生している。

開心網では、当然アイテムに対する課金もやっているが、実はその支払いはかなり面倒くさい。

ネットバンキングやクレジットカードが無いと支払えないので、高校生ではまず無理。

もし、支払うにしてもネットショッピングと同じ方法での支払いが必要となる。

日本では、携帯電話で事業を展開する場合の通話料請求と同時に請求ができるため、この部分の問題がなくなる。

これが、“開心網”とGREEの売り上げと利益率の差になって表れているのだ。

“開心網”とGREEの間に技術的な優劣があるわけではなく、単にインフラの問題ということになる。

“開心網”が飽きられずに、3G携帯の普及まで持ちこたえることができれば、携帯電話事業の展開次第によって爆発的な成長を見せるのではないかと思わさせるサイトの一つである。