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中国「鬼城」以下の「新国立競技場」

建設途中で放置された廃墟都市(鬼城)が中国バブル崩壊の象徴として、最近日本でよく報道されているようです。 ボロボロになった高層ビルやマンションなどが醜態をさらしていて、それ中国崩壊だ! というのがお決まりのパターン。 たしかに、これはこれで大問題…

けど、これは、賢明にも不採算プロジェクトを、サンクコストに囚われず途中で中止した結果とも言えるのでは。 儲からないから建設を停止して、メンテナンス費用も出ないからメンテナンスなしで放置する。 そして、廃墟になりましたと。

この廃墟はサンクコストなので、今まで投資した建築費用は戻ってはきませんので大損です。 ただ、これ以上資金を投入して完成させたとしても施設の使い道がないのなら、完成させるための建設費や完成後のメンテナンス費を別のことに振り向けたほうが正しいわけです。

鬼城の出現は、このような極めて合理的な判断による結果ともいえるのではないだろうか? もし、途中で投げ出したらアカン。初志貫徹。最後まで絶対やるんだ! と頭の悪い判断をしていたら、どれだけ傷が深くなっていたことか。

面子の国といわれる中国も、このように意外とキッチリ損得計算で動いていることがわかります。 儲からないものは、面子より醜態をさらしてでも「中止」という部分は、見習うに値すると思うのです。

新国立競技場の場合は、作っても大赤字なのが明らかになっているにも関わらず、莫大な資金を投入して建築しようとしています。 政府が説明する建設の動機は、対外的に面子が立たないとかそんな感じ。

まさにこの案件、面子にこだわり失敗すると分かっていても成り行きで進めてしまう日本人のダメな部分が遺憾なく発揮されているようです。

鬼城みて中国崩壊だとか喜んでいる場合なのかと。

「新国立競技場」は「鬼城」以下の合理性によって建築されようとしているわけで、こんな無意味な負債を背負わされる将来世代が、合理的な中国との競争を続けるのは骨が折れる話でしょうね。