中国インターネット事情

ITを中心に中国の事 もろもろ

東京都のドローン禁止条例で、日本での技術革新はもう期待できない

終わった。 まるで、GSMを採用せずに日本独自通信規格を採用して、携帯がガラパゴス化したときのように。

ちょっと飛ばしていただけで、警察が寄ってくるくらい不審物とみなされているドローン。今度は東京都が公園で飛ばすのを禁止した。 最近の世間の風潮はドローン=怪しいになりつつあると思う。

この風潮を受けて日本企業が積極的に一般向けのドローンを開発することは難しくなったと思う。 規制もあり日本の市場は縮小し、日本での普及は大きく遅れることになる。ドローン鎖国だ。 今でも日本企業は全く活躍していないが、今回の騒動で日本企業が活躍する芽はなくなったと言ってもいいだろう。 日本の小型化技術を使えば世界で売れるドローンを開発し世界市場で戦えるはずだったのに、新しい技術に対する過剰反応によって、日本企業は戦わずして負けることになりそうだ。

報道ライブ21というテレビ番組で、民主党の枝野という議員が、2~3年後には中東から日本までドローンが飛んできて爆撃するという珍発言をしていた。 首相官邸にドローンが落ちたときの映像と共に、この発言が流れていたのだけど、中東から日本までファントムみたいなのが飛んでくると本気で考えているのだろうか? 電池の技術がどの程度とか、ドローンを構成する技術に対する正しい認識がないから、こんな発言をするのだと思う。

この程度の認識の国会議員が規制を作っているのだから技術立国もクソもない。この方、原発事故の時にいろいろとやって居たけど技術的センスはゼロだと言えよう。国会議員でこれなのだから地方はもっとヤバイだろうし、 出演していたコメンテーターが誰もツッコミ入れないし、テレビ局や政界は技術無能が支配しているってことか。

こんな状況になったので、ドローンはもう日本で普及しないのだろうか? 恐らく、遅くても5年後くらいには日本企業製ではないドローンが、日本でも普及し始めるのではないかと筆者は思う。 米国やヨーロッパ、中国などによる、日本を除いた激しい開発競争が勃発しドローンに凄まじい進化が齎されるのに違いない。 色々と改善が加えられ現在の不安定なドローンとは全く違うモノに進化。恐らくかなり小さくなっていると思う。それが便利なので日本国内でも再び利用されるというパターンだ。 もちろん、取り残された日本企業はボーっとしているだけで終わる。

例えば、今は日本が強いカメラ分野で一部の市場を失うことになるのではないだろうか? ドローン技術を応用した「羽付きカメラ」がカメラ市場でのカテゴリーの一角を占めることになると思う。 ソニーのハンディカムには「空間手振れ補正」という技術が採用されているが、カメラが浮いていれば、手で持つよりさらに安定度を高めることができるだろう。実際、筆者が保有するbebop droneの映像の安定感はなかなか素晴らしい。

また一つ日本企業の市場が消滅してゆく。サイバーショットドローンとかEOSドローンとか、出たら買おうかと思ってたのに。 「bebop drone」を日本企業の質で作ったら、本当に素晴らしいと思うのだが。