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だから13億の……は、神話です。現実を見ましょう

13億の巨大市場。だから魅力的だ。 13億の人口がある。だから、国力が大きいし怖い。 この13億という巨大な数字が一人歩きして、中国を見る目を狂わせているようです。

しかし、本当にライバルになったり、市場になるのは、2、3億ではないでしょうか。 日本の倍程度で、アメリカと同じくらいの人口を持つ国。まあそれでも、アメリカと同じくらいなのだから十分凄いのですが。

中国には、確かに13億の人口がいるのだとは思います。物理的には。 しかし、凡才が天才・秀才を押しのける人材無駄遣いシステム(大学入試システムの地域間格差)によって、中国が本来発揮できるはずの力を今一つ発揮できずにいるわけです。 中国には中国の都合(都市部の既得権益者の声が大きいとか)があって、このようなシステムになっているのだとは思いますが、結局のところ、国力は資源とか国土の広さではなく人間力なのだから、いかに優秀な人間を育成できるかが国の競争力の源泉となるはずで、そこが大きく歪んでいるというのは致命的なのではないかと思うわけです。

つまり、何が言いたいかと言うと、2、3億の中で競争が完結していて、残りの10億は競争に参加するチャンスがない傍観者となっているわけです。 また、教育水準によって獲得できる富が変わる現代社会では、有望な市場もこの2、3億に留まるでしょう。

もし、この歪みを今すぐに修正したとしても、学校を卒業してしまっている人間の方が多いですから、今後何十年にわたって影響が継続し、中国で高齢化が大きく進展する時代になってもその影響は続くはずです。 過去に戻って教育は取り戻せませんし、人材の再配置もほぼ無理です。

13億 VS 1億2千だと不安にもなりますが、実質的には 2、3億 VS 1億2千と考えることができるわけです。 中国自身が競争しない仕組みを内在しているから、日本は残り10億とは特に競争をしていないとも言えます。

だから、必要以上に恐れる必要もなければ、言うほど魅力的な市場だと考える必要もないのだろうと思います。 もちろん、2、3億の巨大市場であることには変わらないのですが、「13億」と強く言うならちょっと眉唾で現実を見た方が良さそうです。